【感想】『破天荒フェニックス』を読んでみて

Amazonの幻冬社の本、売れ筋ランキング10位(2018年11月28日現在)の『破天荒フェニックス オンデーズ再生物語』を読みました。

『OWN DAYS』という看板の釣り下がっているメガネ屋さんをみたことある方もいるはず。
アルバイト先のショッピングモールに出店していたので知っていました。
外観もおしゃれで、店内に薄型のテレビが吊り下げられてるんですけど、攻めた映像を流していたのを覚えています。
母もここでメガネを作ってました。
その「オンデーズ」という会社の社長さんが書いた
限りなくノンフィクションに近いフィクション(?)なんですよね。
てっきりホリエモンの本とかと同じように章ごとに区切られてて
自由に生きてる人の話が書かれてるんだと思ってました。
ツイッターで「おもしろい」って誰かが勧めてて。オススメされてたから読みはじめたんですよ。
第一の感想はめっっっっっちゃ濃い!

幻冬社の本は1ページごとの余白がたくさんとられていて
見開きもたっぷり活用しているものが多いです。
本が苦手な人でも読みやすいように
工夫されてるんですよね。
だからこそサクサク読めます。2時間もいらないぐらいです。

今回の『破天荒フェニックス』もさくっと読んじゃおうぐらいに思っていました。2時間でいけるかなと。
ところがこの『破天荒フェニックス』は読みきるのに10時間ぐらいかかりました。
別に難しいことは書いてありません。
ちょっとお金のことが出てくるので用語がわからないとしんどいなと思うところもありました。
それでもなんとなく、経営の資金が足りないのか…ぐらいにはわかります。
この話は小説という形で書き綴られています。
ライフハックのことも精神的に自由に生きてる方法も書かれていません。
ノウハウ的なことは何も書かれていません。

ただオンデーズの社長の行く先に待ちかまえる難題をストーリーとして描いていくのです。
この本のすごいところは3つです。
描写がきれい
圧倒的にピンチが多いのに嘘くさくない
社長のチャンスを嗅ぎ分ける能力が高い

描写

ただ喫茶店にいて会話してるシーンなのに、その場の空気の匂いまでわかりそうな描き方がされています。
社長さんがタバコを吸うシーンへの描写や話し相手のクセの表現がすごくきれいなんですよね。
もちろん社長さん本人が書いたわけではなく、エピソードを本人から引き出してその時のシーンをありありと思い出させるような言葉を選ぶ人がいてます。

文章を書いてくれるライターさんがいるので当然なんですけどね。
これだけの表現を書ける人がなんで小説家になってないんだろうかと不思議に思ってしまいますね。

圧倒的ピンチ

前へ進もうとすれば、これでもかってぐらいにトラブルがやってきます。
読んでも読んでもトラブル、トラブル、トラブル。
自分がこんなにトラブルに見舞われたら絶対倒れてますね。
首くくってると思う(笑)

それでも社長さんは現状を打破するためにさまざまな工夫を凝らしていく。
けれども一難去ってまた一難。
もちろん新しく打つ策が順風満帆に進むとは限らない。
これでうまくいくのか、うまくいかなかったらどうなるのか…。
押しつぶされそうな状況の中戦う姿がかっこいいんですよね。

何度でも立ち上がる、それはまるで不死鳥(フェニックス)のよう。

チャンスを嗅ぎ分ける力

これだ!と思ったら周りの意見を振り切ってでも飛び込む勇気がすごいと思うんです。
目の前にあるチャンスをきちんとチャンスだと捉えられる力って人間誰しもが最初から持ち合わせてないんですよ。

チャンスに気づける人って何度も失敗を繰り返してきた人だと思うんです。とはいえ、失敗したって挑戦してみないとわからないことがあります。

チャンスだってわかってても飛びつけずに後悔の念にかられる人が多い中で
この社長さんはチャンスをチャンスと捉えて、足がすくんでもきちんと前に進む。

その姿に感銘を受けました。わたしも小さなことでしょげてる場合じゃない。

このままでは沈みゆく会社をどうにかして建てなおす。
そのために現状にあるものを活用しながら舵を切っていくってなかなかできないと思います。
リストラやコストカットを考えて今いるものを手放していく方向で考えるのが普通です。
そこをあえて違う道に進む。

だからこそ成功がつかめるのかもしれません。
心が騒ぐほうを選ぶ。その方が人生楽しいでしょう。
戦う姿勢でいたいと思える一冊です。

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